~泣き虫な神様を訪ねて~
遠いとおい神代の時代、イザナミとイザナギといふ2柱の神がおられました!!ある時、イザナミノミコトは火之神カグツチを出産するも、その業火に焼かれ死んでしまいます!!イザナギハは妻の死の悲しみから泣き続け、その涙で沢が出来、やがてそこから美しい水の女神が生まれました!!
■泣沢女神(なきさわめのかみ)
井戸の神、水の神、再生、出産、新生児守護、延命長寿などの信仰を集めている神様!!
泣沢の 神社に神酒すゑ 祷祈れども わご大君は高日知らしぬ
※万葉集より
境内には桧隈女王(ひのくまのおおきみ)の万葉歌碑も残り、その内容は泣沢神社の女神に神酒を捧げて大君が蘇りますようにと祈ったのに、大君は甦ることなくあの世にいってしまったではないか…と言う恨み和歌といわれています(*_*;
ただ、当時から延命の神様として信仰があった事が伺えます!!
◇畝尾都多本神社(うねおつたもとじんじゃ)
住所:〒634-0025 奈良県橿原市木之本町
今日は珍しく仕事が早く終わり、最近お気に入りの小説
「神様の御用人」の舞台にもなった奈良県の「畝尾都多本神社」へ
小説の中では、信仰心が薄くなりその神威も弱くなってしまい自身のこともままならない「神様」の御用を承る、「御用人」にひょんなことから抜擢されてしまった少年!
その少年と行動をともにする「方位神(姿はキツネ)」
普通の人には見えないものが見える「天眼」の持ち主(少女)この少女はこの神通力のせいで引け目を感じ周りの人に馴染むことが出来ずいつも独りぼっちでいる!
その少女が、井戸の中の神「泣沢女神」や御用人に出会った場所!
少女は神威も弱まり自分で井戸の外に出ることの出来なくなった神「泣沢女神」のため外の様子が分かるようにと、季節の花を持って行くのですが当然ながら小説の話!そんな忠実な人は流石に・・・と思っていましたが
実際参拝してみると拝殿前に「花束」が置かれていました!
誰もいない静まり返った境内、まだみずみずしい花束が「泣沢女神」のために贈られています。少し肌寒い季節でしたが、なんだか胸のあたりが暖かくなるような気がしました。
それと、神様の喜んでいる姿が想像さえできるような、そんな心温まる光景になんだか満足し
ちょっと無理して来た甲斐があったな~ と・・・
力を貰うということはこういう事なんだな~とあらためて思います!
身勝手なお願いをするのではなく、相手を思いやる気持ちや感謝の念がその土地の神様の神威を高める、思いやりや感謝の気持ちそんな簡単なことが出来ない時代が来ないことを祈りたいですね!
肝心な「畝尾都多本神社」ですが、別名「哭澤の神社」(なきさわのもり)とも言い。
ご祭神の泣沢女神(なきさわめのかみ)
神殿はなく玉垣で囲んだ井戸をご神体とし、その井戸には「泣沢女神」の涙があると伝えられています、もちろん玉垣で囲まれた井戸は神域となるため立ち入ることは出来ません。
境内には摂社の八幡神社と稲荷神社が寄り添っています。
あまり知られていない神様ですが境内は清掃も行き届き、花束の贈り物までされているので地域の人たちがどれだけこの神社を大切にしているのかが伺えます!
生命や再生をつかさどる神様にふさわしく境内の樹木はどれも生命に満ち溢れていました。
その多くの樹木の根元から、無数の「ひこばえ」が伸びているのが印象的で、香久山から良質なエネルギーが流れてきている証!?なのかもしれませんね。
今回は時間が遅くて行けませんでしたが、近くには神様の住まう「香久山」そこに鎮座する「天香久山神社」「伊弉諾神社」「伊弉冊神社」「天岩戸神社」や不思議な逸話の残る「月の誕生石」
晴れた週末に神様の住まうこの飛鳥の地を散策してみてはいかがでしょう?